「売上増加に必要と聞いたけれど、リストマーケティングが何かわからない」
「リストマーケティングの具体的なやり方がわからない」
という方も多いのではないでしょうか。
リストマーケティングとは見込み客にアプローチするもので、効率的に売上を増加させられるマーケティング手法です。
この記事では、リストマーケティングの具体的なやり方からメリット、成功のポイントまで丁寧に解説します。
リストマーケティングでコストをかけずに顧客にアプローチしたい方はぜひ最後までお読みください。
リストマーケティングとは
リストマーケティングとは、見込み客や既存顧客のリストに対してアプローチするマーケティング手法です。
リストに含まれる顧客情報をもとに、属性に合ったアプローチができる点や、すでに接点を持った顧客をターゲットにする点などが特徴です。そのため、ほかのマーケティング手法に比べて高いコンバージョン率が期待できます。
リストマーケティングで活用できる情報として、以下が挙げられます。
to Cの場合 | to Bの場合 |
・氏名 ・生年月日 ・連絡先(電話番号・メールアドレス) ・住所 ・流入経路 ・問い合わせ履歴 ・購入履歴 | ・企業名、業種 ・設立日 ・ホームページ ・住所 ・資本金や売上 ・上場の有無 ・従業員数 ・担当者名、役職 ・担当者連絡先(電話番号・メールアドレス) ・流入経路 ・問い合わせ、購入履歴 |
リストマーケティングを行う4つのメリット
リストマーケティングを行うメリットは以下の4つです。
1.低コストで売り上げを伸ばせる
2.一度に多くの見込み客にアプローチできる
3.データ分析・改善がしやすい
4.自動化によって業務効率化ができる
1つずつ解説します。
1.低コストで売り上げを伸ばせる
リストマーケティングは、これまでに接点を持ったことのある顧客をターゲットにする手法であり、0から集客をする必要はありません。そのため、広告費用や営業の人的コストがかからず、低コストで売り上げを伸ばせます。
また、接点のある顧客はすでに商品やサービスを認知していたり、興味を持っていたりする場合が多く、成約率が高いのも特徴です。
2.一度に多くの見込み客にアプローチできる
リストマーケティングでは多くの場合、ダイレクトメールによって顧客にアプローチします。メール配信システムを活用することで、一度に多くの見込み客にリーチできます。
また、リストに顧客の属性が含まれているため、属性ごとに訴求点を変えることも可能です。流入経路や検討段階で分類し、グループ別に異なる内容のダイレクトメールを配信するのが効果的でしょう。
3.データ分析・改善がしやすい
リストマーケティングでは、顧客の反応や購入履歴が蓄積されていきます。そのため、流入経路ごと、年齢ごと、従業員数ごとのように、属性ごとのニーズを分析できるでしょう。どの属性が何を求めているのかがわかれば、特定の顧客に対してどの商品・サービスを提案すべきかが明らかになります。
また、リストマーケティングでは、ダイレクトメールへの反応もデータで可視化できます。属性ごとにどういった訴求点を提示するのがよいかを分析し、効果が最大化されるように改善していきましょう。
4.自動化によって業務効率化ができる
リストマーケティングでは、MA(マーケティングオートメーション)を活用した自動化が進んでいます。
リストマーケティングにおいて属性ごとに訴求を変えることは大切ですが、顧客が増えれば人力での作業では限界を迎えてしまいます。属性ごとのグルーピング、その後の定期的な連絡を自動化することで業務が効率化され、戦略策定などの上流の仕事にリソースを割けるようになるでしょう。
【4ステップ】リストマーケティングのやり方
リストマーケティングは、以下の4ステップで実現できます。
1.見込み客リストを集める
2.見込み客を育成する
3.商品・サービスを販売する
4.リストを分析する
それぞれについて説明します。
1.見込み客リストを集める
まずは、リストマーケティングに活用する見込み客リストを集める必要があります。
これまで接点を持ったことのある顧客情報を“リスト化”するところから始めましょう。リストに含まれる情報は、前に述べた通りです。
続いて、リストに追加するために見込み客を新たに集めましょう。見込み客獲得の手段としては、オンラインであればSNSを運用したり広告を出したりする方法、オフラインであればチラシを配布する方法などが挙げられます。
2.見込み客を育成する
見込み客リストができたら、リスト上の顧客を育成(ナーチャリング)します。ナーチャリングとは、見込み客とのコミュニケーションを通じて、購買意欲を高めていくことです。
見込み客は、商品やサービスを認知してくれているもののまだ購入には至っていない段階です。そのため、商品やサービスにどのような価値があるのか、購入することでどのようなメリットがあるのかを伝えていく必要があります。
ナーチャリングには、メルマガやLINE公式アカウントが活用できます。
3.商品・サービスを販売する
ナーチャリングによって見込み客の商品・サービスへの興味が高まったら、次は販売に注力しましょう。継続的なコミュニケーションによって信頼が獲得されている状態なので、購入してもらえる可能性が高まっています。
さらに購入しやすくするためには、期間限定でキャンペーン特化を設定したりサンプルを配ったりして、商品やサービスを気軽に体験できる機会を作るのがよいでしょう。
4.リストを分析する
リストマーケティングの効果を大きくするには、分析が欠かせません。どのようなターゲットにどのようなメッセージが刺さるのか、そもそも見込み客はどのように分類できるのかなどの分析を続けて、施策を改善していきましょう。
たとえば、顧客の分類にはRFM分析やCTB分析というフレームワークが有効です。
また、分析にはリスト情報の充実とデータの収集が必要だということも押さえておきましょう。
リストマーケティングを成功させる5つのポイント
リストマーケティングを成功させるためには以下の5点がポイントです。
1. 良質な見込み客を集める
2. リストを常に最新の状態に保つ
3. リストを分類してアプローチを変える
4. リスト育成を自動化する
5. 見込み客獲得から販売までの全体を分析する
1つずつ丁寧にお伝えします。
1. 良質な見込み客を集める
リストマーケティングのファーストステップは見込み客リストを集めることですが、単にリストに名前が増えていけばよいわけではありません。
仮に「LINEに登録したら現金プレゼント」としたら多くの連絡先は手に入れられるかもしれません。しかし、そのうち購入につながる可能性がある人は少なく、かえってその後のコミュニケーションに対する工数が増えてしまいます。
「見込み客」という言葉の通り、商品・サービスに興味を持ち、購入してくれる見込みのある人との接点を作るようにしましょう。
良質な見込み客を集めるためにはターゲットに適した集客方法を選ぶことが大切です。
2. リストを常に最新の状態に保つ
作成した見込み客リストは、常に最新の状態になるよう更新を続けましょう。
古い情報のままアプローチしてもうまく訴求できず、せっかくメッセージを送っても効果は限定されてしまいます。さらに、リストを更新せずに放置していると、情報漏洩のリスクが高まるため注意が必要です。
とはいえ、見込み客リストの更新には労力がかかります。手動で行う部分を減らし、可能な限り自動化を目指しましょう。
3. リストを分類してアプローチを変える
リストマーケティングの効率を最大化するためには、顧客の属性ごとにアプローチを変えることが大切です。
たとえば、リストに追加された日と、その1週間後では顧客が求める情報が異なります。
当日はA、1週間後はBというメッセージを配信するなど、顧客ごとに適した内容を自動で配信できるよう設定しましょう。LINEであればステップ配信という機能が活用できます。
また、流入経路によって顧客の購入意欲の高さが違うと想定されます。流入経路やその後の検討段階に応じた工夫も考えましょう。
4. リスト育成を自動化する
見込み客が増えれば増えるほど、またリストを分類すればするほど、リストの整理やメッセージの配信に時間がかかってしまいます。リスト育成は、できる限り自動化することが重要です。
リストマーケティングで大切なのは手を動かすことではなく、リストを分類する適切な方法やグループごとの訴求点について仮説を立てて検証することです。
分析・改善に時間をかけられるよう、単純な作業はなるべく自動化していきましょう。
5. 見込み客獲得から販売までの全体を分析する
リストマーケティングの分析というと、グループの分け方や配信メッセージにばかり目が向くかもしれません。
しかし、顧客との接点を作るところから実際に販売に至るまで、プロセス全体の分析も忘れないようにしましょう。
リストの活用は十分うまくいっているけれど、そもそもの見込み客リストの質や量に問題があったり、商品の魅力自体が不足していたりする可能性もあります。
全体を見たうえで、改善に取り組むべき箇所を特定しましょう。
リストマーケティングの注意点
リストマーケティングは効率的に売り上げを伸ばせる魅力的な手法です。
以下3点に注意してリスクを避けましょう。
・見込み客との関係悪化に気を付ける
・情報漏洩を防ぐ
・長期的な運用が必要になる
1点ずつ説明します。
見込み客との関係悪化に気を付ける
リストマーケティングでは、継続的なコミュニケーションによって見込み客との信頼関係を築きます。
しかし、顧客がセールス過多だと感じてしまうと、購入意欲が高まるどころか、かえって興味を失ってしまいます。分析によって適切な頻度を判断し、見込み客が離れないように気をつけましょう。
また、見込み客リストの中には、過去に失注した相手も含まれているかもしれません。これまでの対応履歴を確認して慎重に対応することが大切です。
情報漏洩を防ぐ
見込み客リストには、氏名や住所、連絡先など、個人情報が多く含まれています。これらの情報が漏洩した場合、信頼を失うだけでなく、損害賠償が発生する可能性もあります。
システムのセキュリティを強化するとともにリストの運用ルールを設定し、情報漏洩が起こらない仕組みを作りましょう。
長期的な運用が必要になる
リストマーケティングは顧客との信頼関係を作ることで販売に至るものであり、すぐに効果が出るとは限りません。
見込み客リストの獲得や分析も必要であることから、むしろ長期的な運用が必要な施策であるといえます。長期的な目線で目標や計画を立て、十分な予算や人員を確保しましょう。
LINEを使ったリストマーケティングの4つのメリット
公式LINEはリストマーケティングに活用するツールとしておすすめです。
LINEを使ったリストマーケティングのメリットは以下4つです。
1. 多くの人にアプローチできる
2. ステップ配信ができる
3. クーポンやショップカードの作成ができる
4. 分析機能がある
それぞれ解説します。
1. 多くの人にアプローチできる
LINEの月間ユーザー数は約9,500万人であり、10代〜60歳以上までさまざまな年代の人が利用しています。
利用者が多く、見込み客を集めやすいのがLINEを活用する最大のメリットです。
また、LINEを用いたリストマーケティングの場合、友だち登録が見込み客獲得を意味します。
LINEが日常的に利用されており、メルマガ登録や問い合わせフォーム回答よりも友だち登録のほうがハードルが低いことも、リスト集めがしやすい理由の1つです。
2. ステップ配信ができる
LINEにはステップ配信機能があります。
ステップ配信とは、友だち登録を始点として、経過日数や友だち登録の経路別に、設定したメッセージを自動で配信する機能です。
ステップ配信を利用すると、手作業でリストを分類しなくとも適切なタイミングで適切なメッセージを届けられます。
MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入せずに自動化できるのも大きな利点です。
3. クーポンやショップカードの作成ができる
LINEには、クーポンやショップカードを作成する機能があります。
ナーチャリングでは顧客の購入意欲を高められますが、クーポンは体験のハードルを下げ、購入を促進するのに有効です。
また、ショップカードの存在によって、一度きりでなく継続的に購入してもらえる可能性が高まるでしょう。
4. 分析機能がある
LINEは分析機能が充実しており、リストマーケティングに欠かせない分析を行えます。
たとえば、ステップ配信の開封率を調べてボトルネックを解消したり、流入経路ごとに購入率を分析して見込み客獲得の方法を検討したりするのがよいでしょう。
また、分析のためのツールを導入する必要なくLINEのみで完結するため、分析・改善のサイクルをすばやく回せることもLINEを活用する魅力です。
まとめ
見込み客にアプローチするリストマーケティングは、低コストで売り上げを伸ばすことができるマーケティング手法です。
たったの4ステップで実現でき、多くの過程を自動化できるリストマーケティングは、効率よく売り上げを増やしたい人こそ取り入れるべきだといえます。
長期的な運用のなかで分析と改善を繰り返し、施策の成果を高めましょう。