「DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)という言葉を聞いたことがあるけれど、具体的にはよくわかっていない」
「コンテンツ販売の集客を拡大したいけれど、どうしたらよいかわからない」
という方も多いのではないでしょうか。
DRMは、広告やプロモーションなどに反応があった見込み客を対象としたマーケティング手法です。
すでに商品・サービスに興味を持っている人にアプローチするため、効率よく売り上げを向上させられます。
この記事では、DRMとは何かをはじめ、活用するうえでのメリット・デメリットや手法、成功させるためのポイントまで、わかりやすく丁寧に解説します。
DRMに取り組みたい方はぜひお読みください。
DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)とは?
DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)とは、広告やプロモーションなどに反応があった見込み客を対象に商品やサービスを販売するマーケティング手法です。
DRMが生まれたのは1920年代のアメリカで、新聞広告に対してアクションがあった顧客に、商品やサービスを直接販売したのがはじまりだったといいます。
当時は、仲介業者や実店舗を通じて商品を買うのが当たり前だったため、画期的な手法として注目されました。
1990年代末からは日本でも普及し始め、中小企業を中心にDRMの導入が進められました。
現在ではテレビコマーシャルや新聞広告をする通信販売企業に加え、インターネット上でDRMを実施する事業者も増えています。
コンテンツ販売の集客にはDRMがおすすめ
結論からいうと、コンテンツ販売にはDRMが効果的です。
DRMに向いているサービスや商品の特徴としては、以下が挙げられます。
・高価であること
・自社でしか販売していないこと
・商品やサービスが流行する前であること
まとめると、顧客が商品やサービスの特徴や魅力を十分に理解しておらず、かつ不信感を抱かれやすい商品やサービスが向いているということです。これはまさに、コンテンツ販売の特徴と合致します。
「購入までに信頼獲得が必要」という性質を持つコンテンツ販売にDRMが向いているのは、時間をかけて見込み客に商品やサービスの魅力を伝えていくマーケティング手法であるためです。
コンテンツを販売する際は、長期的に信頼関係を確立し、商品やサービスの必要性を感じてから購入してもらうことを目指しましょう。
コンテンツ販売の集客でDRMを行う3つのメリット
コンテンツ販売の集客でDRMを行うメリットには、以下の3つがあります。
1. 低コストで始められる
2. 効率よく売上を伸ばせる
3. 分析・改善がしやすい
それぞれ解説します。
1. 低コストで始められる
DRMではWeb広告やSNS運用など、予算に応じた方法を選んで見込み客を獲得できます。
そのため、小さな費用から無理なく取り組めるのがメリットといえます。
また、DRMは広告やプロモーションで商品・サービスについて発信したあとは顧客の行動を待ち、アクションのあった見込み客だけにアプローチする手法です。
営業に要する人件費を、必要最小限に抑えられるのも魅力の1つでしょう。
2. 効率よく売上を伸ばせる
DRMでアプローチするのは、広告やプロモーションにリアクションをした見込み客です。
彼らは自発的に行動しているため、テレアポや訪問販売などで接する顧客と比べて自社への興味が大きい傾向にあります。
購入確度の高い営業リストであるほど、成約率が高く、効率よく売り上げを伸ばせます。
また、時間をかけて関係を構築するため、ロイヤリティが高い優良顧客になりやすいのもメリットです。
3. 分析・改善がしやすい
DRMはインターネットと相性がよく、分析や改善がしやすいのもメリットの1つです。
たとえば、流入経路ごとのファネル遷移率、顧客獲得単価、施策の効果などの分析が実施できます。また、顧客のデータも入手できるため、顧客を分類して分析することも可能です。
分析によって獲得したデータをもとに改善点を検討し、さらに集客の効率を上げていきましょう。
コンテンツ販売の集客でDRMを行う2つのデメリット
コンテンツ販売に向いているDRMですが、欠点も存在します。
ここでは、2つのデメリットをお伝えします。
1. 短期での売り上げ増加には不向き
2. 商品・サービスの認知やブランディングには不向き
それぞれ説明します。
1. 短期での売り上げ増加には不向き
DRMは、すぐに成果を出したい場合には適していません。
なぜなら、DRMを新たに始める場合は広告などによって見込み客を集め、見込み客に対して商品やサービスの魅力を伝えていくステップが必要だからです。
どうしても短期的な売り上げ増加を目指さなくてはならない場合は、コストはかかってしまいますが、テレアポや訪問などアウトバウンドの営業を選ぶのがよいでしょう。
2. 商品・サービスの認知やブランディングには不向き
DRMでは、多くの人に商品やサービスを理解してもらうことには注力しません。
アプローチする相手を絞ることによって、低コストと高い成約率を実現する手法です。
顧客が増えるにつれてブランド力の向上は期待できますが、DRMは認知拡大やブランディングのための手段ではないことは理解しておきましょう。
【3ステップ】コンテンツ販売の集客におけるDRMの手順
コンテンツ販売におけるDRMは以下の3ステップで実施します。
1.見込み客リストを集める
2.見込み客を育成する
3.商品・サービスを販売する
ステップごとに見ていきましょう。
1.見込み客リストを集める
まず1つ目のステップは、見込み客を集めることです。
DRMは、購入確度の高い見込み客にアプローチすることによって効率的な売り上げ増加を実現するものであり、見込み客リストの獲得は必須です。
見込み客を集める方法としては以下が挙げられます。
・Web広告
・オウンドメディア
・SNS運用
・プレスリリース
・セミナー
ターゲットや予算に合わせて、適切な方法を選びましょう。
個人を対象にしたコンテンツ販売では、Web広告やオウンドメディア、SNS運用がおすすめです。
2.見込み客を育成する
2つ目のステップは、見込み客を育成することです。
ナーチャリングといわれるこのステップでは、商品やサービスの価値や購入のメリットを伝えていきます。
時間をかけて見込み客とコミュニケーションを取ることで購買意欲を高めていくステップとも言い換えられます。
見込み客を育成する方法としては以下が挙げられます。
・SNS運用
・メールマガジン
・公式LINE
・定期面談
このステップで信頼関係を築くことで、商品やサービスを抵抗なく購入してもらえます。
また、商品やサービスへの理解が高まるため、ミスマッチによるクレームの防止にもつながります。
3.商品・サービスを販売する
最後3つ目のステップは、いよいよ商品やサービスを販売することです。
顧客の育成(ナーチャリング)によって信頼関係が構築されているため、購入のハードルやリスクを下げることでスムーズに販売できます。
たとえば、キャンペーンの実施やサンプルの配布、返金保証の制定などが有効でしょう。
コンテンツ販売の集客に向いているDRMの手法6つ
DRMの手法はさまざまですが、ここではコンテンツ販売の集客に向いているものを6つ紹介します。
1. Web広告
2. オウンドメディア
3. SNS
4. メールマガジン
5. 公式LINE
6. 個別相談
それぞれの手法について、どのステップでどのように活用するのかを説明します。
1. Web広告
Web広告は、見込み客獲得のための手法です。
ターゲットの興味を惹く広告を配信し、LP(ランディングページ)に誘導しましょう。
LPでは商品やサービスの魅力を伝え、アクションを起こしてもらう必要があります。
たとえば、以下のようなアクションがとれるようにするのがよいでしょう。
・お問い合わせフォームに回答する
・メルマガや公式LINEに登録する
・ホワイトペーパーをダウンロードする
どのアクションを求めるかは、2つ目のステップであるナーチャリングの手法に合わせて決めましょう。
2. オウンドメディア
オウンドメディアも見込み客獲得のための手法です。
メディアの読者がメルマガや公式LINEに登録したり、資料をダウンロードしたりできるよう導線の設計を行いましょう。
オウンドメディアの訪問者のうち、アクションを起こす人の割合を高めることはもちろん、訪問者自体を増やすことも大切です。
SEO対策によって記事の上位表示を目指しましょう。
3. SNS
SNSは、見込み客の獲得と育成のどちらにも有効な手法です。
まずは検索やおすすめ欄で見つけてもらったり、シェアしてもらったりして認知を獲得しましょう。
認知が得られたらフォローを促し、そこから育成を進めます。
商品やサービスの魅力を継続的に発信することで、問い合わせにつなげましょう。
コンテンツ販売に向いているSNSには以下が挙げられます。
・X(Twitter)
・TikTok
・YouTube
・stand.fm
顧客の層や性質に応じてSNSを使い分けましょう。
4. メールマガジン
メールマガジンは、見込み客の育成に効果的な手法です。特に顧客が中高年の場合は、高い効果が期待できます。
定期的にメールを配信することで、商品やサービスの理解を深めていきましょう。
5. 公式LINE
公式LINEは見込み客の育成におすすめの手法です。
その理由の1つは老若男女を問わず多くの人が利用しているため、友だち追加のハードルが低いことです。
また、友だち追加後、定期的に自動でメッセージを送るステップ配信という機能もあります。あらかじめメッセージの内容とタイミングを決め、効率よく見込み客を育成しましょう。
6. 個別相談
個別相談は、商品やサービスの販売時におすすめの手法です。
継続的にテキストや動画によって情報を発信していても、購入までのあと一歩が促せないケースはしばしば起こります。
個別で相談に応じることで、さらに商品やサービスの魅力を伝えたり、購入する必要性を感じてもらったりできます。
さらに、キャンペーンや保証体制の整備もあわせて実施すると成約率が高まります。
DRMを成功させる3つのポイント
最後にDRMを成功させるポイントを3つ紹介します。
1. 良質な見込み客リストを作成する
2. PDCAを回す
3. キャンペーンや限定性で購入を促進する
それぞれわかりやすく解説します。
1. 良質な見込み客リストを作成する
まず、良質な見込み客リストを作成することが大切です。
たしかに見込み客リストを集めるステップでは、数の目標も必要です。
しかしやみくもに数だけを追うのではなく、成約率も分析し、最小のコストで最大の成果を上げられるようにしましょう。
本来は効率よく売り上げが伸びるDRMですが、見込み客リストの質が悪い場合はコストが増えるだけで成果が上がらない結果となってしまいます。
メールマガジンや公式LINEへの誘導は購入確度が高い人に限定しましょう。
2. PDCAを回す
PDCAを回し、常に分析・改善を続けることも重要です。
DRMを続ければ続けるほど、顧客のデータが蓄積されていきます。
たとえば、以下の情報を活かしてマーケティングの効率を高めましょう。
・どのような顧客の購入確度が高いのか
・どのような性質の人がどのようなキャンペーン・クーポンに反応するのか
確度の高い人にリソースを集中したり、効果の高いメッセージを模索したりすることでより費用対効果の高い施策が実施できます。
3. キャンペーンや限定性で購入を促進する
キャンペーンや限定性で、購入を促進するのも成功のためのポイントです。
ナーチャリングによって商品やサービスに対する理解が深まっていても、初めて購入する場合は不安が払拭できないものです。
キャンペーンを実施したりサンプルを配布したりすることで、購入のハードルを下げるとよいでしょう。
また、限定性を持たせることで購入の意欲を高めることも有効です。
まとめ
広告やプロモーションにリアクションをした見込み顧客に対して商品やサービスを販売するDRM(ダイレクトマーケティング)は効率よく売り上げを伸ばせるマーケティング手法です。
1.見込み客リストを集める
2.見込み客を育成する
3.商品・サービスを販売する
この3ステップで効率的なマーケティングが実現できるため、まずは見込み客リストを集めるところから始めてみましょう。