「コンテンツ販売にはマーケティング分析・改善が必要といわれたけれど、何から始めればよいかわからない」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
マーケティング分析は難しいイメージを持つ方もいるかと思いますが、方法やポイントを知ることで効果的な分析が可能です。正しく分析できれば、その結果から有効な改善策が見いだせるでしょう。
この記事では、マーケティング分析を行うメリットから、実際に使われている10個のフレームワークまで丁寧に解説しています。さらにコンテンツ販売における分析と改善の実例もご紹介しながら、分析してから改善点を見つけるまでの流れもまとめました。
「効果的なマーケティング分析の方法を知りたい」という方はぜひお読みください。
マーケティング分析が必要な3つの場面
そもそもマーケティング分析とは、商品を売るために自分のポジションや消費者のニーズなどを分析することです。マーケティング分析を行う場面は、以下の大きく3つに分類でき、それぞれに適した分析方法が存在します。
1.市場分析・現状分析
2.顧客分析
3.戦略策定・施策立案
まずはそれぞれの場面がどのようなものか、なぜ必要なのかを説明します。
1.市場分析・現状分析
市場分析・現状分析では、自分のことや自分を取り巻く外部環境を分析します。これは、市場における自分の立ち位置を明確にするために必要であり、今後の方向性を決める際に役立ちます。
とくに自分のこと(内部環境)は把握できていると思ってしまいがちですが、改めて分析してみると活かすべき点や克服しなくてはならない点が発見されることも。そのため、マーケティングで欠かせない重要な分析といえるでしょう。
2.顧客分析
顧客分析とはその名の通り、自分の商品を買ってくれた顧客について分析をし、主に顧客満足度やLTV(顧客生涯価値)の向上を図るものです。また、休眠顧客の掘り起こしや新規顧客獲得の効率化のために使用される場合もあります。
顧客分析では、性別や年齢といった属性、来店頻度や購入頻度といった消費行動、そのほか顧客満足度などを収集・分析します。
3.戦略策定・施策立案
戦略策定・施策立案とは、誰に、何を、いくらで、どのように販売していくのかといった戦略を決めるものであり、内部環境や外部環境、顧客との関係など、さまざまな視点からの分析を必要とします。
戦略はビジネスの成功を大きく左右するものであり、主観的な思いではなく、客観的なデータに基づいて策定しなくてはなりません。マーケティング分析は自分や競合、顧客のことを客観的に捉え直すものであり、戦略策定・施策立案に不可欠です。
【目的別】マーケティング分析の方法10選
マーケティング分析は一見難しそうですが、フレームワークを用いることで誰でも簡単に実施できます。
ここでは、目的別に10個のフレームワークを紹介します。なお、これらのフレームワークからどれか1つを選ぶのではなく、複数を組み合わせて使うのがよいでしょう。
市場分析・現状分析で使えるフレームワーク
市場分析・現状分析で使えるフレームワークは以下の3つです。
・3C分析
・PEST分析
・SWOT分析
それぞれ確認していきましょう。
3C分析
3C分析とは、次の3つの情報から、自分の立ち位置を明らかにするものです。
・Customer(市場顧客):市場の規模・成長性はどうか、顧客のニーズは何か
・Competitor(競合):競合のシェアやポジションはどうか、新規参入の脅威はあるか
・Company(自社):売上・収益性や経営資源はどうか
3C分析の特徴は競合他社と比較している点であり、競合の状況を踏まえた戦略策定に有効です。
PEST分析
PEST分析は主に外部環境の分析に使われるものであり、3C分析やSWOT分析でも用いられます。
PESTとは以下4つの頭文字です。
・Politics(政治)
・Economy(経済)
・Society(社会)
・Technology(技術)
PEST分析を行うことで、将来自分にとってどのような市場機会があるのか、どのような脅威があるかを把握し、中長期的な視点で戦略策定ができるようになります。
SWOT分析
SWOT分析とは、内部環境と外部環境を整理し、自分の置かれている状況を明らかにするものです。
SWOTは、それぞれ以下を意味しています。
・Storength(強み)
・Weekness(弱み)
・Opportunity(機会)
・Threat(脅威)
なお、SWOT分析を受けて、機会×強み、弱み×強みなど、SWOTを掛け合わせた戦略を検討するクロスSWOT分析も行うのがよいでしょう。
顧客分析で使えるフレームワーク
顧客分析で使えるフレームワークとして以下の2つを紹介します。
・RFM分析
・CTB分析
それぞれ説明します。
RFM分析
RFM分析では、以下の3つの指標を用いて、顧客を優良顧客・非優良顧客・新規顧客に分類するものです。
・Recently(最終購入日)
・Frequency(購入頻度)
・Monetary(累積購入金額)
RFM分析を行うと、非優良顧客へのアプローチを減らして新規顧客へのアプローチを増やすなど、効率的なマーケティングを実施できます。
CTB分析
CTB分析も顧客を分類するものであり、その指標は以下の3つです。
・Category(カテゴリー):商品の種類
・Taste(テイスト):形や色、質感、デザインなど
・Brand(ブランド):ブランド、メーカーなど
CTB分析では顧客の嗜好が把握できるため、新商品開発や既存商品の改善が行えます。また、ペルソナの明確化と潜在顧客へのアプローチでも活用できます。
戦略策定・施策立案で使えるフレームワーク
戦略策定・施策立案で使えるフレームワークは以下の5つです。
・STP分析
・ファネル分析
・4P分析
・4C分析
・5フォース分析
1つずつ解説します。
STP分析
STP分析とは、競合との差別化によって効果的なマーケティングを行うためのフレームワークであり、以下の3つを順に進めていきます。
・Segmentation(セグメンテーション):市場を細分化する
・Targeting(ターゲティング):細分化した中でどの市場を狙うかを決める
・Positioning(ポジショニング):ターゲティングした市場での立ち位置を決める
STP分析ではいかにして競合優位性を築けるかを検討するものなので、商品開発前に行うことも有効です。
ファネル分析
ファネル分析とは、消費者の行動を漏斗に見立てて離脱ポイントを明らかにするものであり、マーケティングの改善に用いられます。
ファネルは、AIDMA(Attention>Interest>Desire>Memory>Action)など顧客の状態で設定したり、商品一覧ページ>商品詳細>カート>購入のように行動で設定したりと、さまざまな視点で有効に活用できます。
なお、コンテンツ販売におけるファネル分析について、あとで詳しく説明します。
4P分析
4P分析とは、マーケティング施策立案のためのフレームワークであり、次の4つのPを検討するものです。
・Product(製品)
・Price(価格)
・Place(流通)
・Promotion(販売促進)
市場分析・現状分析に基づいたマーケティング戦略立案を行ったうえで、その戦略を具体化するために4P分析を活用しましょう。
4C分析
4C分析も4P分析のようにマーケティング施策立案のためのフレームワークであり、4つのCを検討するものです。
・Customer Value(顧客にとっての価値)
・Cost(コスト)
・Convenience(顧客にとっての利便性)
・Communication(顧客とのコミュニケーション)
4P分析は売り手目線での分析、4C分析は買い手目線での分析といえます。
5フォース分析
5フォース分析とは、以下の5つの脅威を明らかにすることで、収益性を高めるためのフレームワークです。
・業界内での競争
・業界への新規参入者
・代替品の存在
・買い手(顧客)の交渉力
・売り手(サプライヤー)の交渉力
5フォース分析は収益性の低下を防いだり競争優位性を確保したりする方法を検討するだけでなく、SWOT分析の前段階としても活用できます。
コンテンツ販売でマーケティング分析・改善が重要である理由
ここまでマーケティング分析の場面やフレームワークを紹介してきましたが、コンテンツ販売においてもマーケティング分析・改善は欠かせません。
なぜなら、外部環境や顧客ニーズが変わりやすい時代であり、継続的に売上を上げるためには高い精度で状況を把握する必要があるからです。
また、集客の費用対効果を最大化するためにも、常に改善を続けていくことが大切です。
コンテンツ販売でマーケティング分析をする3つのメリット
コンテンツ販売でマーケティング分析をするメリットは以下の3つです。
1.PDCAを回しやすくなる
2.客観的に状況把握ができる
3.新しいコンテンツのアイデアが生まれる
それぞれをわかりやすく説明します。
1.PDCAを回しやすくなる
まず、マーケティング分析によってデータを取得することで、PDCAを回しやすくなります。
データがない場合はやみくもに改善策を模索することとなりますが、分析をしていればデータに基づいた効果的な改善を実施できます。継続的に集客するため、そして集客を効率化するために、適切にPDCAを回していくことが重要です。
2.客観的に状況把握ができる
マーケティング分析では、数値や実際の顧客の声など、客観的なデータを収集します。
これによって願望や思い込みでなく、自社やそれを取り巻く環境を適切に把握でき、実効性のあるマーケティング戦略を策定できます。
3.新しいコンテンツのアイデアが生まれる
マーケティング分析では、これまで知らなかった顧客の意見を聞いたり、気付いていなかった自分の強みや市場機会を知ったりすることがあります。
そこからニーズや時流を捉えた新商品のアイデアが生まれ、新しいコンテンツを販売することができれば売上を向上させられるでしょう。
マーケティング分析をしたあとは改善が必要
マーケティング分析によって戦略を策定し、施策を打ったら完了ではなく、その後も改善を続けることが重要です。市場や顧客は常に変化を続けていますし、現在の施策の効果が最大化されているとは限りません。
中期的に戦略を見直すとともに、短期的には施策を分析・改善することが必要です。そのためにも日々のデータ収集が不可欠です。ファネルごとのデータをスプレッドシートなどにまとめておきましょう。
【実例】コンテンツ販売における分析と改善
ここでは、コンテンツ販売におけるファネル分析に関して、目安となる数値や改善点をお伝えします。ファネルは以下の5つを想定しています。
1.YouTube再生
2.公式LINE登録
3.個別相談申し込み
4.個別相談参加
5.商品購入
1.YouTube再生数
YouTubeで見込み客を集める場合は、最初のファネルはYouTubeの再生数となります。
再生数は投稿本数やチャンネル登録者数によるため、まずは10本以上投稿したうえで自身の基準値を設定しましょう。改善点にはコンテンツの内容のほか、編集クオリティや音声品質、サムネイルなどが挙げられます。
2.公式LINE登録数
続いては、公式LINEの登録数です。
こちらも一概にはいえないため、実際に運用する中で自身の基準値を設定しましょう。ここでの改善点は大きく2点。1つは公式LINE登録の特典内容、もう1つは公式LINEへの誘導メッセージです。
3.個別相談申し込み率
公式LINEに登録したユーザーに対して、個別相談を提供します。
その際のファネル遷移率の目安は10%です。改善点には、参加するメリットや参加を促すメッセージ、申し込みフォームなどがあります。また、個別相談を先着10名と設定するなど、限定性を高めることも効果的です。
4.個別相談参加率
次は個別相談に申し込んだ人のうち実際に参加した人の割合です。
目安の数値は90%としましょう。参加率が低い場合は、リマインドの回数を工夫したり、申し込み開始のタイミングを遅らせたりするのが有効です。また、申し込み率が下がることに注意が必要ですが、個別相談を有料にすると参加率は高まります。
5.商品購入率
最後に、個別相談に参加した人が商品を購入するに至った割合です。
商品の単価にもよるため、自分に合った基準値を設定し直す必要はありますが、30%を1つの基準としてもよいでしょう。このファネル遷移率を上げるためには、提案資料をアップデートしたり購入を促すメッセージを変えたりといった工夫が求められます。
まとめ
コンテンツ販売を含むビジネスの成功には、マーケティング分析・改善が必要不可欠です。
マーケティング分析は一見難しいようですが、この記事で紹介した10個のフレームワークを組み合わせることで、自分の立ち位置を把握したり戦略を立案したりが簡単に実践できます。
また、継続的に売上を上げるためには、分析だけでなく改善も欠かせません。
コンテンツ販売を成功させるために、この記事で取り上げたフレームワークや実例を参考にしてマーケティング分析と改善を進めましょう。